バリアフリーのリフォーム費用や補助金は?リスクを減らして快適な暮らしへ

バリアフリーを検討している方は、どのタイミングでリフォームをおこなえばいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか?リフォームの費用も高額になることがあるため、「お得で間違いのない工事をしたい」というのが本音だと思います。

そこで今回は、バリアフリーリフォームの費用相場や、補助金制度について解説します。快適で安全な暮らしのために、ぜひ参考にしてみてください。

 

バリアフリーリフォームはどのような工事?

日本人の4人に1人が高齢者といわれる時代になり、バリアフリーのニーズが高まってきています。厚生労働省の「人口動態統計(2020年)」によると、交通事故で亡くなった方よりも、家庭内の事故で亡くなった方のほうが多いという結果が出ました。年を重ねるにつれて、予期せぬ転倒などが大きな事故につながることもあるため、家の中でも油断はできないのです。

家庭における不慮の事故の死因を見てみると、「溺水・窒息・転倒や転落」の順番となっています。それらを踏まえて、バリアフリーリフォームは、以下のような工事がおこなわれることが多いのが特徴です。

  • 手すりの設置
  • 段差の解消
  • 廊下幅などの拡張

バリアフリーリフォームをおこなうベストなタイミングは?

バリアフリーリフォームを検討する理由として、ご家族のためにおこなうものと、ご自身の老後のためというケースがあるのではないでしょうか?転ばぬ先の杖としてバリアフリーリフォームをおこなうにしても、どのタイミングでおこなうかを迷っている方も少なくありません。

とくに備えておいたほうがいい場所には、浴室・トイレ・階段の3つが挙げられます。この中でも浴室とトイレは家族の目が届きにくいため、手すりをつけるなどの対策を、早めにしておくことがオススメです。

場所別の費用相場は?

ここからは、浴室・トイレ・階段をバリアフリーリフォームする場合の費用相場について解説します。以下に一覧を作りましたので、予算を考える上で、参考にしてみてください。

場所 内容 金額
浴室 手すりの取り付け 約50,000円
浴室暖房の設置 100,000~200,000円
半埋め込み式浴槽に交換 500,000~800,000円
トイレ トイレ 手すりの取り付け 25,000~45,000円
便座の高さ調整 約30,000円
和式から洋式便器に変更 220,000~570,000円
階段 手すりの取り付け 50,000~150,000円
足元照明の設置 10,000~20,000円
その他 段差をなくす工事 20,000~50,000円
引き戸への交換 100,000~150,000円

 

浴室

高齢者の家庭内事故の中でもっとも多いのが、溺水です。浴室は家族の目が届かない場所のため、できるだけリスクを減らしていくことで、事故を未然に防げます。たとえば、手すりの取り付けや半埋め込み式の浴槽に交換するなど、転倒防止のリフォームをおこなうケースが多いです。

また、冬場は浴室内の寒さとお湯の熱さに温度差ができやすいため、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるといわれています。そのため、浴室暖房を設置するなどして、寒暖差を作らないようにすることも大切です。

トイレ

トイレは1日に何度も使用する場所のため、できるだけストレスのかかりにくいリフォームをおこないましょう。たとえば、足腰の負担を和らげるために、手すりを設置するのがもっとも一般的です。また、和式便座の場合は、洋式便座への変更を早めに検討しましょう。車椅子の使用を想定するなら、スペースの拡張や同線の変更も視野に入れておく必要があります。

階段

高齢者は、階段から転落してしまう事故も多いといわれているため、手すりの設置を検討しましょう。階段の段差が大きい場合は、段差を低くしたり、勾配を緩やかにしたりするリフォームも有効です。また、夜間に階段を踏み外すことがないように、足元照明の設置や階段の色を変えるなどの対策もしておくのが理想的といえるでしょう。

介護保険や助成金でお得にリフォームできる

バリアフリーにしたほうがいいことは理解していても、費用面が気になってしまうのが正直なところではないでしょうか?介護認定や特定の条件を満たしている方は、介護保険や自治体の助成金を使える場合があります。バリアフリーリフォームを検討している方は、ご自身やご家族が該当しているかどうか確認してみましょう。

介護保険を活用する

各自治体では、介護保険による住宅改修費を支給しています。町田市を例に挙げると、以下のような内容となっています。

支給対象者
  • 要支援1と要支援2、要介護1から要介護5の対象者がいる場合
  • 介護の円滑化を目的としたリフォーム
    ※老朽化や故障が原因のリフォームは対象外
対象となる工事
  • 手すりの取り付け
  • 段差の解消
  • 滑り防止や移動を円滑にするための工事
  • 引き戸への交換やドアノブの変更
  • 和式から洋式便器への交換
支給限度基準額
  • 1人につき20万円
  • 介護保険負担割合証に基づき、7~9割(14~18万円)まで支給
  • 数回に分けて使用可能
手続きの流れ
  1. ケアマネージャーか高齢者支援センターに相談する
  2. 改修内容を決める
  3. 事前申請書類をケアマネージャーか高齢者支援センター職員が市に提出する
  4. 審査終了後に着工許可が出る
  5. 工事完了後に、改修費用を業者に全額支払う
  6. 支給申請書類をケアマネージャーか高齢者支援センター職員が市に提出する
  7. 審査終了後に、住宅改修費が支払われる

 

 

上記とあわせて重要なポイントが3つあるため、頭に入れておきましょう。

  • 施工業者は自分で選ぶことができる
  • ケアマネージャーや高齢者支援センターに事前申請しないと、支給対象にならない
  • 事前申請の審査完了の連絡が来る前に着工してしまうと、申請が無効になる

助成金を活用する

もうひとつは、改修工事の助成金制度を利用する方法です。こちらも町田市を例に挙げてみます。

支給対象者
  • 市内に住宅があり、所有者であること
    ※賃貸住宅は対象外
  • 市税を滞納していないこと
  • 住宅1棟に1回限り有効
対象となる工事
  • 手すりの取り付け
  • 段差の解消
  • 滑り防止や移動を円滑にするための工事
  • 浴室の改修工事
  • ホームエレベーターや階段昇降機の設置
  • 和式から洋式便器への交換
支給限度基準額
  • 上限額は10万円
  • 助成対象工事にかかった費用に、助成率5分の4を乗じた額
    ※千円未満は切り捨て
手続きの流れ
  1. 町田市役所の住宅課に必要書類を提出する
  2. 審査完了後に、「町田市補助金等交付決定通知書」が届く
  3. 工事完了後に報告書を提出する
  4. 助成金の請求をおこなう

こちらも介護保険と同じく、抑えておくポイントが3つあるため、必ず覚えておきましょう。

  • 市内の事業者が施工する工事のみ対象
  • 市の予算を超えた時点で受付が締め切られる
  • 交付決定通知書が届く前に業者と契約している場合は、申請が無効になる

まとめ

高齢者の家庭内事故を未然に防ぐためにも、バリアフリー対策を早めに行っておくことは大切です。浴室やトイレなど使用頻度の高い場所から検討することで、効果的なリフォームが可能となります。今回ご紹介した介護保険や助成金制度などを上手に活用し、快適で安全な暮らしを実現していきましょう。

株式会社ワサイ・コーポレーションは、町田市で快適な住まい作りのお手伝いをしているリフォーム会社です。住まいのメンテナンスからバリアフリー工事まで、ご家族の状況に合わせた提案ができます。地域密着型ならではのアフター体制も完備しておりますので、遠慮なくご相談ください。